警察とデモ隊の対立が激しくなっている（10日、香港）=ロイター
【香港=木原雄士】政府への抗議活動が続く香港で11日朝、デモ隊と警察が衝突した。香港メディアによると、香港島東部の西湾河（サイワンホー）で警察が若者に向けて実弾を3発発砲した。10日夜にはデモ隊の一部が複数の地下鉄駅や商業施設を壊したり、道路を封鎖したりした。デモに絡んで男子大学生が死亡したのを機に、警察との対立が一段と激しくなっている。
11日朝はSNS上で、抗議活動が呼びかけられ、通勤時間帯に混乱が広がった。西湾河では若者らが道路をふさぎ、強制排除に乗り出した警察ともみ合いになった。インターネット上に投稿された映像によると、警察は至近距離から実弾を発砲し、腹部に当たったとみられる1人が道路に倒れ込んだ。けがの程度は不明だ。現場は外国人の駐在員も多く暮らす住宅街で一時騒然となった。
香港政府は11日未明「多数の暴力的な抗議者が10日に組織的な破壊行為を行い、警察官を襲撃し、交通を遮断した」と非難する声明を出した。10日深夜までに違法集会や覆面をしていた容疑で88人を逮捕した。警察はデモの取り締まりを強化しており、反発する若者らが駅の破壊など過激な抗議を繰り返している。
亡くなった大学生を巡っては、警察が救助を妨害したとの見方が根強くある。予告なしの催涙弾使用や実弾発砲など警察の手荒なやり方も目立ち、デモ隊の反発が一段と強まる可能性がある。
2019-11-11 01:32:41Z
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