Friday, June 12, 2020

社説(6/13):「スーパーシティ」構想/情報保護、住民合意に課題 - 河北新報

社説

「スーパーシティ」構想/情報保護、住民合意に課題

 人工知能(AI)やビッグデータなどの最先端技術を活用した未来都市のモデル、「スーパーシティ構想」の実現に向けた改正国家戦略特区法が5月27日、参院本会議で可決され、成立した。政府は、少子高齢化や過疎化などに伴う地域課題を、日本企業の技術力と大胆な規制緩和とで解決していく、とうたう。しかし、個人情報の集積・連携に伴うプライバシー保護などの具体策は明らかにならず、住民の合意形成を含め慎重な対応が求められる。
 情報技術(IT)を生かした地域の課題解決といえば、既に「スマートシティ」構想がある。ただ、情報収集や規制緩和は省庁の縦割りで、個別の対応となる場合が多い。
 「まるごと未来都市」を掲げるスーパーシティは、移動手段や医療・介護、エネルギー・水、防災・安全といった10領域のうち、五つ以上で、2030年ごろに実現するとされる生活を、住民目線で先行的に実現するのが目標で、より包括的だ。
 地方自治体からのアイデア公募には54団体が提出し、東北では仙北市、会津若松市、岩手県矢巾町が応募した。
 「未来都市」の一例を内閣府のPRビデオでみると、過疎地の高齢者が通院しようとする場合、病院の予約と自動運転のタクシーの配車予約が同時にでき、予約情報や診療結果は遠方に住む親族にも伝えられる。タクシーや病院の支払いはキャッシュレスだ。普段の脈拍なども病院が把握できる。
 実現すれば確かに便利だ。ただ、その利便性に見合うだけの個人情報が背景となる。
 スーパーシティ構想の特徴は「区域会議」と「データ連携基盤」だ。区域会議は従来の国家戦略特区にもあるが、国や事業者、自治体などの会議が基本構想や実施計画を策定し、議会や住民の合意が得られれば、首相が認定。各省庁にまたがる規制緩和をより包括的に進める。
 データ連携基盤では、官民が持つデータを、必要に応じて連携し、事業者らに提供する役割を担う。現在、データは個々に法律の規制を受けるが、連携すれば垣根を越えてより重層的な価値を持つ。
 国会審議では、住民参画、合意をどう進めるかは明確にならなかった。個人情報管理や連携についても、あいまいな点が残り、野党からは監視社会化への懸念も出た。
 改正法は成立したが、付帯決議は住民参加や個人情報管理への配慮など15項目にも上る。生煮えの感は否めない。
 政府が海外事例として挙げたカナダ・トロントでは、情報収集に住民らの強硬な反対があり、事業主体だったIT大手グーグルの関連会社が5月、撤退を表明した。
 個人情報を保護し、住民ニーズに沿い地域課題を解決するには、より丹念な議論や制度設計が必要だ。拙速な取り組みは禍根を残しかねない。

2020年06月13日土曜日


Let's block ads! (Why?)



"合意" - Google ニュース
June 13, 2020 at 04:09AM
https://ift.tt/2C2Dqna

社説(6/13):「スーパーシティ」構想/情報保護、住民合意に課題 - 河北新報
"合意" - Google ニュース
https://ift.tt/2urNum4
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment