英国と欧州連合（ＥＵ）の将来の通商関係をめぐる交渉が数日中に決裂する可能性が出てきた。英政府は、１５日のＥＵ首脳会談までに合意への明確な見通しが立たなければ交渉から撤退すると警告した。
ジョンソン英首相は７日午後、交渉の行き詰まり打開を目指してミシェルＥＵ大統領（常任議長）と電話会談を行った。
ミシェル氏は会談後、ツイッターに「ＥＵは合意の方を希望しているが、いかなる代償を払ってでもというわけではない。英国は手の内を見せるときだ」と投稿した。
その後まもなく、ゴーブ英内閣府担当相（国務相）は英上院の委員会で「合意を得ようと鋭意取り組んでいるが、いかなる犠牲を払ってでも合意を成立させるということはない。ＥＵがこの先数週間かたくなな姿勢に固執するのであれば、英国は起こり得る事態に備えることになる」と述べた。
ゴーブ氏と上院委員会に出席した英交渉責任者のデービッド・フロスト氏は、合意が手に届く範囲にあるかどうかの判断は１５日近くになって下されるとの見解を示した。
ジョンソン首相は１５日までに合意の大枠を明らかにさせたい考えを表明してきた。しかし、ＥＵ当局者は妥協を求める圧力には屈しないと言明、ジョンソン首相の譲歩がなければ交渉決裂も辞さない姿勢を見せている。
一方、英国の姿勢をよく知る関係者は、同国の交渉チームは合意の明確な着地点が１５日までに明らかにならなければ、実際に交渉を打ち切る意向だと話した。
ＥＵ当局者によると、バルニエＥＵ首席交渉官は７日、ＥＵ加盟国の大使らとの会合で英国が１５日で交渉を打ち切るとはみていないと語った。
交渉について知るブリュッセルの複数の当局者は、複雑な駆け引きが行われており、英国とＥＵには依然、温度差はあるものの、その中で双方が１０月後半まで協議を続けるための方法を見いだすと予想している。（ブルームバーグ Ｉａｎ Ｗｉｓｈａｒｔ、Ｔｉｍ Ｒｏｓｓ）
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October 09, 2020 at 09:06AM
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英、EUの通商交渉決裂も 「15日大枠合意」の最後通牒 - SankeiBiz
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