資金調達市場の隅々で年越しの圧力が高まっている。その元凶は銀行だ。
銀行は必要な資本バッファーの水準を決定付ける規制当局のスコア上昇に対処しようとしている。その行動が、通貨借り入れ市場や米連邦準備制度のスワップライン、欧州のレポ市場に影響を及ぼした。
先週公表された最新のシステミックリスク報告は、7-9月(第3四半期)に大半の銀行のスコアが「期末後の株価の動きを織り込む前に既に」上昇していたことを示したと、JPモルガン・チェースのヘンリー・セントジョン氏がリポートで指摘した。 MSCIオールカントリー・ワールド指数は9月末以降に約12%上昇している。
株価上昇は銀行の保有株の価値を高め規制スコアにさらに上昇圧力をかける公算が大きいため、銀行が対策を講じるよう促された。その結果として以下のような現象が見られる。
通貨ヘッジ
銀行はドルの短期資金を融通する市場でドルの貸し出しを縮小しているもようだ。これによって、1カ月物のドルプレミアムが3カ月物に対して急上昇した。
銀行はまた、株式トータルリターンスワップを通じて株を貸し出し、バランスシート上の保有株を減らそうとしているという。しかしこの取引に参加する投資家はドルが必要なため、連邦準備制度のスワップラインの利用が急増した。
ドルスワップライン
スワップラインはスイス国立銀行(中央銀行)を通じた利用が特に多く、過去8営業日に3カ月物で57億ドル(約5940億円)の借り入れがあった。スイス中銀はスワップの担保となる証券の多くでヘアカット(担保価値の削減)をしないため、利用が多い。日本銀行の場合、10年物国債の担保掛目は98.6%、欧州中央銀行(ECB)はドイツ国債に対し96%。
GC(非特定銘柄)取引
ドルを借りる担保として差し入れる債券を持っていない投資家は債券を借りる必要がある。その影響がレポ市場に表れている。ドイツとフランスの国債を1カ月間借りるコストは急上昇し、GCレートはそれぞれ2年と3年で最も大きなマイナスになった。
マイナスのレートは証券を担保に現金を貸す投資家が利息を支払うことを意味する。
原題:
Bank-Driven Squeeze in Funding Markets Is Hitting Every Corner(抜粋)
からの記事と詳細 ( 資金調達市場の逼迫の裏に銀行の事情-通貨やスワップ、レポに影響 - ブルームバーグ )
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