Sunday, April 25, 2021

ミャンマー情勢 事態打開、見えず ASEAN会議で合意も - 東京新聞

25日、ミャンマーのヤンゴンで、ASEAN会議の合意から外れた「拘束者の解放」や「民主制への復帰」を求める若者(一部画像処理)= Khit Thit Media提供

25日、ミャンマーのヤンゴンで、ASEAN会議の合意から外れた「拘束者の解放」や「民主制への復帰」を求める若者(一部画像処理)= Khit Thit Media提供

 【バンコク=岩崎健太朗】東南アジア諸国連合(ASEAN)がミャンマー情勢を協議した24日の首脳会議では、「暴力の即時停止」など5つの合意事項が議長声明に盛り込まれた。首脳らが成果を強調する一方、ミャンマー国内では合意実行に懐疑的な声が広がっている。

 マレーシアのムヒディン首相は「予想を超える成果だ」と強調。インドネシアのジョコ大統領も「合意に達した」と手応えを口にした。国際社会の非難を寄せ付けないミャンマー国軍トップを協議の席に着かせ、議長声明では「平和的解決に向けた対話の開始」などで合意したと発表。ASEANの積極的な関与で、問題解決に一歩前進したとの受け止めが広がった。

 ただ、アウン・サン・スー・チー氏やデモ参加者ら拘束者の解放は合意事項から外れた。国軍は民主派の「挙国一致政府」メンバーらを反逆罪で指名手配し、「対話」の余地はないとの見方が大勢だ。25日付国営紙は、会議でミン・アウン・フライン総司令官が「加盟国との緊密な協力関係を維持」と6枚の写真付きで強調。各国の懸念や合意には触れなかった。

 ミャンマー政治に詳しいフランス人アナリストのグレッグ・ケハイア氏は「市民が抗議をやめなければ、ASEANは仲介を尊重していないと言うだろう。抗議が収まれば国軍が力を増すことになる」と指摘した。

 首脳会議終了後、ミャンマー市民からは「クーデターが非難されず、民主的手続きで選ばれた私たちの政府は消えた」「700人以上の犠牲者、4000人以上の拘束者への人道に対する罪の責任はどこへ」との嘆きがネットなどで拡散した。

 ASEAN関係者は「暴力停止など合意の実現に向けた明確な期限を設けなければならない」と訴えた。

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