2021年08月05日07時05分
【ワシントン時事】バイデン米政権は、3日に就任したイランの保守強硬派ライシ大統領ともイラン核合意維持に向けた交渉を継続する方針だ。ただ、両国が4月以降ウィーンで行ってきた間接交渉では、溝を埋め切れなかった。さらに米国は、オマーン沖で先月起きたイランによるとみられる石油タンカーへの無人機攻撃を受け、報復を示唆。交渉の行方を左右する可能性もある。
サキ米大統領報道官は3日の記者会見で「ウィーンに戻る準備は完全にできている」と述べ、早期の交渉再開に期待を示した。だが、ライシ師がこれまでの交渉内容を引き継ぐかどうかは定かでない。最高指導者ハメネイ師は先週、「欧米を信頼しても助けにならないことが明白となった」と不満をあらわにしており、交渉は容易ではないとの見方が広がっている。
シンクタンク「国際危機グループ」のネイサン・ラファティ上級研究員によると、イラン側は、トランプ前米政権が断行した核合意離脱を二度と繰り返さないと保証するよう要求。これに対し米国は、合意の対象外だったミサイル開発制限などをめぐり将来交渉を行うと確約することを求め、対立している。
ブリンケン国務長官は先週、訪問先のクウェート市で「われわれは外交に取り組むが、このプロセスを永遠に続けることはできない」と語り、交渉を引き延ばさないようイラン側に警告した。交渉が長引く間に、イランが核関連技術の強化を図り続ければ、核開発制限を定めた合意の実効性が損なわれる恐れがあるためだ。
ブリンケン氏はまた、オマーン沖での日本企業所有のタンカー襲撃について「次の措置を友好国と検討している」と明かし、イランへの報復を辞さない構えを見せている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、バイデン政権はこの攻撃以前から、無人機などの部品調達に焦点を当てた対イラン制裁を検討してきた。発動されれば、イランとの対立が先鋭化することは避けられない。
からの記事と詳細 ( イラン核合意交渉、難航の恐れ 無人機攻撃への報復も―米政権 - 時事通信ニュース )
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