Friday, September 10, 2021

政治空白1年1カ月のレバノン 実務家配し、ようやく組閣へ合意 - 朝日新聞デジタル

ドーハ=伊藤喜之

 中東レバノンで首相候補に指名されていた実業家のナジブ・ミカティ元首相が10日、アウン大統領と新内閣の顔ぶれについて合意した。昨年8月にベイルート港で起きた大爆発で当時の内閣が総辞職して以来、1年1カ月に及んだ政治空白が解消される。

 新内閣は、同国で長年、政治停滞の原因となってきた宗派や党派間で閣僚ポストを取り合う因習を排除し、専門的知見を持った実務家が中心となる方針。財務相には中央銀行幹部のユセフ・ハリル氏が起用される。

 ミカティ氏は、アウン大統領と閣僚名簿に署名した後に開いた会見で、「国の崩壊を食い止める」と宣言。「状況は非常に厳しいが、国民の苦しみを和らげるのは不可能ではない」と述べた。

 レバノンは2019年に起きた反政府デモで当時の内閣が退陣すると、一気に経済が傾いた。通貨レバノンポンドの実勢レートが公定の10分の1ほどに暴落し、国民の過半数が貧困状態にあるとされる。燃料不足で停電が続くなど、危機的な状況にある。

 これまで2人が首相候補に指名されてきたが、いずれも宗派争いなどを背景に組閣に失敗してきた。地元メディアによると、今回、合意できた背景には旧宗主国フランスからの強い働きかけがあったという。

 ミカティ氏はイスラム教スンニ派の富豪として知られ、2005年と2011~14年に2度、首相(暫定首相を含む)として内閣を率いた。(ドーハ=伊藤喜之)

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