2021年09月13日06時50分
【カイロ、ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は12日、イランの首都テヘランでエスラミ原子力庁長官らと会談した。会談後の共同声明によれば、イランの核施設監視カメラの記録媒体の交換を認めることで合意し、最低限の査察が継続される見通しとなった。ただ、交換後もIAEAには引き渡されずにイラン国内で保管されるため、核開発の全容把握につながるかは不透明だ。
グロッシ氏のイラン訪問は、保守強硬派のライシ政権発足後初めて。IAEAは、13日から開く定例理事会でイランの核開発や査察制限などを主な議題とする予定。イランのメディアによると、エスラミ氏は「建設的な会談だった」と評価した。グロッシ氏はウィーンに到着後に記者会見し、「状況を早急に改善する必要があったが、今回の合意でそれは実現するだろう」と語った。
イランは今年2月、IAEAに未申告施設の抜き打ち査察を認めた追加議定書の履行を停止しつつ、最小限の査察を期限付きで容認。その期限は既に切れ、イランは高濃縮ウランなどの製造を続けている。IAEAは今月まとめた報告書で「検証・監視活動が著しく損なわれている」と懸念を示した。
今年1月のバイデン米政権発足後、米欧とイランは2015年の核合意の再建協議を始めたが、6月下旬を最後に協議は途絶えている。IAEA理事会で、査察に非協力的なイランを非難する声が米欧を中心に高まれば、国際社会との対立も辞さない強硬派の発言力が増しているイランの反発は必至。再建交渉の再開に悪影響を及ぼすとの懸念も強まっている。
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