Thursday, September 23, 2021

日米豪印、宇宙・サイバー協力で合意へ…衛星データ共有し気候変動や災害予測 - 読売新聞

 【ワシントン=田島大志、船越翔】日本と米国、オーストラリア、インドの4か国の枠組み「クアッド」が24日に米ワシントンで行う首脳会談で、宇宙やサイバー分野の協力で合意する見通しとなった。衛星データを共有し、サイバー担当高官の協議を創設する。覇権的な動きを強める中国を念頭に、4か国の連携強化の新たな成果として打ち出す。

 今回の首脳会談は、4か国首脳によるクアッドの枠組みでの初の対面会談となる。読売新聞が入手した共同声明と関連文書の案では、「クアッドは宇宙を含む科学(分野)のリーダーである」と位置付け、「グループとしての初の宇宙協力を始める」と宣言している。

 協力案件の目玉は衛星データの共有だ。気候変動対策を目的に、地球観測衛星で収集した画像などを4か国で共有し、気候変動のリスクの分析や、インド太平洋地域での災害の予測などに役立てる狙いがある。

 クアッドでは、中国と国境を接するインドが安全保障分野の協力強化に踏み込むことに、慎重な姿勢を示している。このため、事実上の偵察衛星の機能を持つ情報収集衛星のデータは、共有の対象とはしない。

 海洋データを集約して不審船探知などにつなげる「海洋状況把握(MDA)」の能力を、4か国で強化する方針も盛り込んだ。衛星などを活用して協力を積み重ね、将来的には、中国の海洋進出の監視につなげる狙いも透けて見える。

 宇宙開発を巡っては、月面の探査などで米中の覇権争いが激化している。声明案では「宇宙空間の持続的、安定的な利用のための規範策定など、共通の課題に取り組む」として、クアッドが国際ルールの策定を主導する決意も示した。

 サイバー対策では、4か国の高官による協議を定期的に開く。共通の安全基準やソフトウェアの共同開発、人材育成での協力を行う。

 重要なインフラ(社会資本)を対象に、サイバー防御の協力を強化することも掲げた。中国企業の情報管理に懸念が高まっている高速・大容量通信規格「5G」を念頭に、「安心で信頼できるデジタルインフラの促進」も記した。

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