Friday, October 1, 2021

自公連立合意 外交安保で火種も 敵基地攻撃、人権外交 - 産経ニュース

連立政権の合意文書に署名した自民党の岸田総裁(右)と公明党の山口代表=1日午後、国会
連立政権の合意文書に署名した自民党の岸田総裁(右)と公明党の山口代表=1日午後、国会

自民、公明両党が1日に結んだ連立政権の合意文書には「日米同盟を基軸とした揺るぎない安全保障体制」や「自由・民主主義・人権・法の支配など普遍的価値」の重要性が明記された。今後の政権運営の指針となるが、外交や安全保障をめぐる自公の立場には溝もある。岸田文雄総裁が首相として具体的施策に落とし込めるかが問われる。

「自民党を代表して政策を集約する立場になったので、よく踏まえて対応されると思う」

公明の山口那津男代表は1日、自民の高市早苗政調会長が総裁選で敵基地攻撃能力の保有を訴えたことを問われ、こう答えた。自衛隊の能力増強に対する公明のアレルギーは強く、政策立案の責任者となった高市氏を早速牽制(けんせい)した形だ。

ただ、敵基地攻撃能力は「揺るぎない安全保障体制」に向けた有力な抑止力で、総裁選を制した岸田氏も保有に積極的な姿勢を示す。山口氏は「総裁選という土俵の下で訴えられたこと」と予防線を張るが、首相を事実上決める選挙で掲げた以上は限りなく公約に近い。今後の自公の火種になる可能性は否めない。

合意文書では、人権をはじめとする普遍的価値に重点を置いた「平和外交」もうたわれた。中国政府による少数民族弾圧が念頭にあるとみられる。先の国会では中国の人権弾圧を非難する決議案の採択が見送られ、自公両党への批判が上がった。

岸田氏は総裁選の期間中に、時期は未定としながらも「採択すべきだ」と表明。人権問題担当の首相補佐官を新設する考えも明かした。中国との関係を重視する山口氏も1日、「普遍的価値にそぐわない対応をするところがあれば国会で議論することはあり得る」と容認する考えを示した。

ただ、山口氏は「日本の伝統的な外交方針」の重要性も同時に強調した。これは「対話」と「協力」に重心を置いた日本外交の基本姿勢を意味し、人権弾圧に厳しい制裁を科す欧米の外交方針とは一線を画す。公明が本当に対中非難決議に乗ってくるかは、今のところ見通せない。(石鍋圭)

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 自公連立合意 外交安保で火種も 敵基地攻撃、人権外交 - 産経ニュース )
https://ift.tt/2Wuko3A

No comments:

Post a Comment