【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合（EU）は19日、加盟国首脳によるテレビ会議を開いた。新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を再生させるための復興基金について、資金の使い方を巡る対立を解消できず、合意を先送りした。7月中旬に再び首脳会議を開き、合意を目指す。
19日、記者会見をするEUのミシェル大統領(右)とフォンデアライエン欧州委員長=ロイター
今回の会議の焦点は、EUの欧州委員会が5月下旬に提示した案をもとに議論し、復興基金の内容で合意できるかだった。欧州委案では基金は7500億ユーロ（約90兆円）規模で、全額を欧州委が市場から調達する。5千億ユーロを返済義務のない補助金とし、残りを融資とする。
会合では資金を調達する共通債券発行には異論はでなかったものの、返済を前提としない補助金の形式には「倹約4カ国」（オランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン）が反対した。補助金は、財政状態の良い同グループなどが事実上、被害が大きいイタリアなど南欧に資金供与する形になるためで、返済が必要な融資にすべきだと主張したようだ。
EUは7月に再び首脳会議を開く。ミシェルEU大統領は「できるだけ早く合意することが欠かせない」と訴え、欧州委案を支持する仏独も夏前の合意を後押しする。南欧からは「浪費する時間はない」（スペインのサンチェス首相）などと早期合意を求める声が上がる。だがオランダのルッテ首相は「意見に大きな違いがある。合意は急がない」と語った。
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June 19, 2020 at 09:51PM
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復興基金の合意先送り、7月に再会合 EU首脳会議 - 日本経済新聞
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