Thursday, July 9, 2020

新型コロナ:EU復興基金「夏前に合意を」 メルケル氏、譲歩訴え - 日本経済新聞

【ブリュッセル=竹内康雄】7月に欧州連合(EU)議長国に就いたドイツのメルケル首相は8日、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済復興のための復興基金で、夏前までの合意が必要と表明した。被害の大きい南欧を中心に景気は下振れする見通しで早期に支援体制を整える狙いだが、加盟国間の対立は深い。

EUの議長国は半年ごとの輪番制。クロアチアから引き継いだドイツは12月までEUの合意形成を主導する。メルケル氏は欧州議会の演説で「すべての国の譲歩が必要」と呼びかけ、夏休み前に合意したいと訴えた。欧州委は7日、2020年の成長率予測を下方修正し、南欧の景気回復が予想より遅いことが分かった。

EUは17~18日、コロナ拡大後初の対面での首脳会議を開く。中心議題は復興基金だ。欧州委は5月、経済の早期回復に向け7500億ユーロ(約91兆円)規模の基金案を公表。欧州委が全額を市場から調達し、5千億ユーロを返済不要の補助金、残りを返済が必要な融資とする。被害が大きい南欧や中核国の仏独は同案を支持するが、財政規律を重視する倹約4カ国(オランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン)は反対する。

このグループは補助金形式はモラルハザードを生むなどとして反対し、基金の全額を融資形式に改めるよう主張してきた。その上で支援を受けた国が財政改革を約束し、その実行度合いの監視が必要と訴えている。

さらにオランダやデンマークなどは、資金支援を受けるには「法の支配」を尊重しているかどうかを基準に含めるよう求めているようだ。ポーランドやハンガリーなど強権的な政治姿勢が目立つ国へのけん制で、ここにも対立軸がある。

倹約4カ国が強硬なのはなぜか。英国のEU離脱が関係している可能性がある。英国はEUへの純支出国で倹約4カ国と同じ立場だった。英国という仲間を失い、財政規律派としていつもは歩調を合わせるドイツも、合意のまとめ役に回った。

この結果、倹約4カ国のEU内での立場は相対的に弱くなった。さらなる資金貢献を求められる事態を恐れ、姿勢を硬化させているようだ。このことが「交渉を一段と難しくしている」(ブリュッセルに本部を置くシンクタンク、ブリューゲルのウルフ所長)。

合意には全会一致が必要とはいえ、倹約4カ国への支持は広がりに欠け、立場は厳しい。ミシェルEU大統領は近く、欧州委案を基に新たな案を提示する方針だが、南欧などから「弱い妥協は受け入れない」(イタリアのコンテ首相)との声もあり、大きな変更は見込みにくい。

一部では17~18日の首脳会議では合意に至らず、7月に再び首脳会議を開く観測も浮上する。倹約4カ国にも振り上げた拳を下ろす場所は必要で、メルケル首相とEU執行部がどう合意を演出するか、手腕が問われる。

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July 09, 2020 at 06:00PM
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