【カイロ=蜘手美鶴】未申告の核関連活動疑惑がある2施設を巡り、イラン政府は26日、国際原子力機関(IAEA)による査察の受け入れを表明した。査察実施を求めるIAEAのグロッシ事務局長のイラン訪問を受けての合意で、イランは国際社会に「合意違反はない」と訴え、支持を得たい狙いとみられる。ロイター通信などが伝えた。
共同声明では「イランは自発的にIAEAによる2施設への査察を受け入れる」とし、「IAEAはイランへのさらなる問題提起や、2施設以外への査察は求めない」とした。グロッシ氏は記者団に「早急に実施する」と明らかにした。
声明発表後、ロウハニ大統領はグロッシ氏と会談し「(同氏の)訪問が問題解決に向けた合意をもたらした」と歓迎した。
2施設はテヘランと中部イスファハン近郊にあり、2002~04年に未申告で核物質を貯蔵や使用した疑いが浮上している。6月のIAEA理事会では、核合意に基づく査察受け入れ要請を採択したが、イラン側は「情報に信ぴょう性がない」と拒否していた。
イラン核合意を巡っては、イランに「深刻な合意違反」があるとして、米国が国連に対イラン制裁の再発動を求めているが、支持は得られていない。
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