先月飛行機内で体調が急変しベルリンの病院で治療を受けていたロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が退院した。同病院が23日明らかにした。
ナワリヌイ氏は一時昏睡状態となっていた。ドイツ政府は、独仏に加えスウェーデンで実施された検査で神経剤ノビチョクが使われた証拠が得られたと指摘している。
ナワリヌイ氏が入院していたシャリテ病院は声明で「治療に当たった医師団は患者の経過と現在の状態から完全な回復は可能と考えている。しかし、重度の中毒による長期的な影響を測定するにはまだ早い」と説明した。
同氏は32日間入院し、このうち24日は集中治療室で治療を受けたという。
ナワリヌイ氏は23日、カジュアルな服装で公園のベンチに座る自身の写真をインスタグラムに投稿。「片足で立つ、手の指の完全なコントロールを取り戻す、体の平衡を維持する」ことを目指し、リハビリに励みたいとした。
支持者は同氏がいつかはロシアに戻るとしているが、ナワリヌイ氏自身はこの日、ロシアに帰る計画については言及しなかった。
ナワリヌイ氏は19日にインスタグラムへの投稿で、手が思い通りに動かず足が震えるため、電話を使ったり水を注いだり階段を上ったりすることが困難と明らかにしていた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ナワリヌイ氏の回復に安堵(あんど)したとし、他のロシア国民と同様に、同氏の帰国を歓迎すると述べた。
ただ、仏ルモンド紙が匿名の関係筋の話として、ロシアのプーチン大統領がフランスのマクロン大統領と14日に行った電話会談で、ナワリヌイ氏は自分で毒を飲んだ可能性があると語ったと報じたことには反発。ルモンド紙は首脳会談の詳細を知る立場になく、報道内容は正確性を欠くと述べた。
*内容を追加しました。
[ロイター]
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