英国の運輸関係労働組合(RMT)は27日、11月初めから約2週間にわたり予定していた、スコットランドの鉄道会社スコットレールの従業員によるストライキを中止すると発表した。スコットランド自治政府および同社との賃上げ交渉で合意に至ったため。スコットランドのグラスゴーでは、10月末から国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催されるが、この合意により、期間中の鉄道サービスの全面的な停止は回避された。ただ、同じくストを予定するロンドン―エディンバラ間の寝台列車「カレドニアンスリーパー」については協議が続いている。 スコットレールの全従業員は、今年4月までさかのぼり向こう1年間の2.5%の昇給、労働条件の改善、COP26期間中の手当てとして一律300ポンドが支給される。合意を受けスコットレールの従業員は、今年3月から日曜日限定で行っていたストも終了させる。 RMTのミック・リンチ事務局長は「賃金を巡る紛争は解決した」と説明。「スコットレールの従業員は通常通りの勤務に戻るよう指示されている」と述べた。合意形成に向け資金提供を行ったスコットランド自治政府も「誇りに思う」として、こうした動きを歓迎している。 一方、同じく賃金交渉を進めるカレドニアンスリーパーについて、RMTはスコットレール同様の措置を取るよう求めている。 スコットレールはかねて、向こう2年で4.7%の賃上げを約束したが、条件として現行の契約や労働環境の一部譲歩を求める条件を提示。RMTは、これを「検討に値しない」として拒否していた。 なお今年のCOP26には、世界各国から最大3万人が参加を予定しているという。[労務]
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