<内政不干渉の原則をもつASEANだが、膠着状態打開に強力なカードを切った──>
東南アジア諸国連合(ASEAN)は10月15日、オンラインで開催した緊急外相会議で、月末に開かれるASEAN首脳会議にミャンマーの軍政トップであるミン・アウン・フライン国軍司令官の参加を認めないことで合意した。ASEAN議長国であるブルネイが16日に声明を発表して合意を明らかにした。
合意内容に関して今後ミャンマー側の反発がさらに強まり、ASEANによるミャンマー問題への仲介・調停が一層困難に直面する可能性が高くなった。
ブルネイによると外相会議では満場一致でミン・アウン・フライン国軍司令官の10月26日のASEAN首脳会議への参加を認めず、その代理として政治色のない非政治的代表の参加に関しては認めることでも合意したとしている。
この「政治色の薄い人物」は外務省関係者などを想定しているとみられるが、ミャンマー側がこの合意を受け入れるかどうかについては現段階では明らかになっていない。
今回の合意に至った背景にはミャンマー問題解決の道筋を見出すために特使を派遣し、滞在中にアウン・サン・スー・チー氏を含めた全ての関係者との話し合いを実現したいASEAN側に対して、軍政が「(スー・チー氏のような)刑事裁判の被告との面会を認める国などない」と強く反発。訪問は延期され交渉が暗礁に乗り上げていたという経緯がある。
4月の会議での5項目合意履行を要求
これまでASEAN側は、4月24日にインドネシア・ジャカルタで開催された臨時首脳会議で合意された5項目の早期履行を求め続けてきた。
この時の首脳会議にはミン・アウン・フライン国軍司令官がミャンマーを代表する「首脳格」として参加。会議で協議された身柄を拘束されているスー・チー氏の「即時釈放」は合意に盛り込むことができなかった経緯がある。
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