Wednesday, June 14, 2023

微生物の力借りるバイオトイレ設置 世界遺産の奄美大島来訪者増 ... - 朝日新聞デジタル

奄美通信員・神田和明

 世界自然遺産奄美大島の自然を体感できる観光地として人気が高い鹿児島県奄美市金作原(きんさくばる)の近くに、微生物の働きでし尿を処理する環境保全型トイレ(バイオトイレ)を市が設置した。自然観察ツアーの認定ガイドが鍵を持っていて、ガイドと同行する観光客らが利用できる。

 金作原は市街地から車で約40分。原始的な森が広がる国有林で、希少な動植物が多く生息する。訪れる観光客は多く、車両の乗り入れなどが規制されている。昨年の大型連休は6日間で102台、658人が訪れた。自然観察ツアーは約3時間の行程で、来訪者の増加とともにトイレの設置を求める声が上がっていた。

 金作原の1・5キロほど手前の市有地に設置されたトイレは、洋式と男性用の2基。処理槽内の杉チップに水分を吸着させて加熱することで、微生物の分解作用を活用して処理する。ソーラーパネルで発電する。12日から利用可能で、通常は施錠されている。同伴が推奨されている認定ガイドが鍵を管理する。

 事業費は約1300万円で、うち500万円は阪急交通社大阪市)からの企業版ふるさと納税を充てた。同社は全国の世界遺産登録地などに、豊かな自然を残すためにと、同様のトイレを贈呈している。

 落成式が9日にあり、安田壮平市長は「安心、快適で観光と環境の両立に配慮したトイレだ」と話した。(奄美通信員・神田和明)

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