Tuesday, September 7, 2021

コンクリすき間 除草作戦 - 読売新聞

 歩道や公園で、コンクリートのすき間から生えてくる雑草を安価で手間なく除去できないかと、県西宮土木事務所が民間から知恵を借りることにした。現段階では「熱湯をかけて枯らせ、取り除いた後、シリコーン樹脂ですき間を埋める」方法が有力で、これを効率的に実用化させるアイデアを募集。同時に他の案も求め、官民一体で“厄介物”の一掃に乗り出す。(岩井孝夫)

 コンクリート製ブロックなどのすき間は除草に手間がかかり、刈っても刈っても生えてくる……の繰り返し。道路や公園の維持管理費もかさみ、西宮土木事務所にも悩みのタネだったが、一宮大祐所長に昨春、三田市にある「県立人と自然の博物館」の三橋弘宗・主任研究員(生態学)から有力情報がもたらされた。

 「外来種の『ヒアリ』防除に使うシリコーン樹脂が、役に立つのでは」というものだった。ヒアリが巣を作らないようコンクリートのひび割れに樹脂を注入すると、雑草も顔を出さなくなるのだという。

 そこで、西宮市内の道路で実験してみたところ、除草後にシリコーン樹脂を注入した部分では、1年たっても草が再生しなかった。

 一方、その前段階となる除草の方法についても、土木事務所の職員らが、尼崎や西宮、芦屋各市の職員と研究会をつくって検討。塩や酢、重曹などを試した結果、根の部分に熱湯をかけて枯死させる方法が楽で確実だと結論づけた。

 研究会が想定するのは、根元に熱湯をかけてから10日~2週間後、草が枯れて乾燥したらバーナーで焼いて除去し、最終的にシリコーン樹脂を注入して「蓋」をする――という手順だ。

 職員らはヤカンで湯を注ぐなど手作業で実験に取り組んできたが、本格的に除去を進めるには、外部から知恵を借り、より効率的な手法を探るのが得策だと判断。アイデアコンテストを開き、企業などから具体的な施工法を提案してもらうことにした。

 「維持管理費の削減が期待できる。特別な技術は要らないので、地域住民に作業を委託することも考えられる」と一宮所長。「実用化できれば、市町などで広く活用してもらいたい」と期待する。併せて、この「熱湯+シリコーン作戦」以外の除去案も求めている。

 アイデア募集は27日までで、対象は企業やNPO、研究機関など。応募要綱はホームページ(https://hyogo-tech-platform.jp/)からダウンロードできる。

 問い合わせは、県西宮土木事務所(0798・39・1541)へ。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( コンクリすき間 除草作戦 - 読売新聞 )
https://ift.tt/3kZXsl3

No comments:

Post a Comment