Thursday, November 25, 2021

ドイツ3党が連立で合意、ショルツ新政権が12月発足へ メルケル政権に幕 - BBCニュース

Greens party co-leaders Annalena Baerbock and Robert Habeck, Social Democratic Party (SPD) top candidate for chancellor Olaf Scholz and Free Democratic Party (FDP) leader Christian Lindner pose for a family photo

画像提供, Reuters

9月のドイツ総選挙で第1党となった中道左派の社会民主党(SPD)と、緑の党、自由市場主義を掲げる自由民主党(FDP)の3党は24日、連立政権樹立について合意した。在任16年を経て首相を退任するアンゲラ・メルケル氏に代わり、SPDのオラフ・ショルツ氏(63)が新政権を率いる見通し。

新政権は環境重視のグリーン経済へ移行するため、広範な計画を掲げている。

連立政権樹立をめぐる合意では、気候変動対策が焦点だった。3党は予定よりも8年早い2030年までに、石炭の使用廃止を目指している。

また、国土の2%を風力発電に活用し、水素を利用したエネルギーにも注力する方針だ。2030年までに電力の80%を再生可能エネルギーでまかない、約1500万台の電気自動車が走行できるようにしたい考え。

また、大麻の品質や流通を管理した上で、認可施設での販売を合法化する計画もある。

ドイツは欧州最大の経済大国なだけに、新政権の決定は近隣諸国に大きな影響を与えることとなる。

9月26日の総選挙では、メルケル氏が長年率いた保守派のキリスト教民主同盟(CDU)がアルミン・ラシェット党首を首相候補に掲げて臨んだが、これまでで最悪の結果となった。SPDが第1党となり、緑の党は第3党に躍進した。

ショルツ氏は何と

ショルツ氏は記者会見で、「欧州の主権は我々の外交政策の礎」だと述べた。そして、フランスとの友好関係やアメリカとのパートナーシップを強調した。

また、「対等な条件で」連立を組むことでより大きな成果を上げられるよう、あえて挑むとも述べた。

ドイツでは連立政権は政党の色で示されており、SPD(赤)、FDP(黄)、緑の党(緑)の連立は「信号」連立と呼ばれる。ショルツ氏は、この「信号」連立を3党の幅広いメンバーが承認しなくてはならなかったと指摘した。

Acting German Chancellor Angela Merkel receives a bouquet from acting German Finance Minister Olaf Scholz prior to the weekly cabinet meeting at the Chancellery in Berlin, Germany, November 24, 2021

画像提供, Reuters

ショルツ氏は12月6日から9日の間に実施予定の連邦議会での議決を経て、メルケル首相の後任となる。

ドイツが新型コロナウイルスの感染流行で困難な状況にある中、ショルツ氏が首相に就任することとなる。同国は欧州の中で特に感染者数が記録的に急増している国の1つ。

ショルツ氏は24日、連立政権はワクチン接種を強化し、医療スタッフやその他の重要な仕事に就く人への接種義務化を検討する方針だとした。

感染状況は「暗い」として、「新型コロナウイルスはまだ根絶されていない」と述べた。

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自分たちにとって最大のチャレンジ」

緑の党のアンナレーナ・ベアボック共同党首は、気候変動危機は現代史上最大のチャレンジだとし、「我々は経済を改革して気候中立(温室効果ガスの排出量と除去量を差し引きゼロにすること)を実現できる。我々はこの気候中立を共通項とする合意を結んだ」と述べた。

ベアボック氏は新政権で外務大臣に就任する見通し。同じく緑の党の共同党首のロベルト・ハベック氏は副首相に就任し、エネルギー転換政策を監督することとなる。

財務大臣には、若い有権者からの支持が多いFDPのクリスチャン・リントナー党首が就く見通し。リントナー氏は「近年の固定された状況を打破するために、若い世代が我々にこの任務を託した」と述べた。

連立政権が掲げる計画

2045年までにドイツを気候中立にすることが、3党の合意の大きな焦点となっている。この政策は「大胆な進歩」と名付けられている。「理想としては」2030年までに石炭を段階的に廃止し、新しい商業施設の屋根には太陽光パネルの設置を義務づけ、新築の個人住宅にも一般的なルールを設ける。

また16の州では面積の2%を風力発電に充てることが義務付けられる。2035年までに内燃機関を搭載した自動車を段階的に廃止するという欧州連合(EU)の目標もある。

最低賃金時給12ユーロ(約1500円)に引き上げることや、ドイツの住宅危機に対処するために毎年40万戸のアパートを新設(この4分の1は公営住宅)することも挙げている。

投票権の最低年齢が18歳から16歳に引き下げられるほか、議員数の増加に歯止めをかけるために選挙法の改正も予定されている。新しい連邦議会は735議席。選挙権年齢を変更する場合、欧州議会選挙では過半数の支持を得る必要があるが、連邦議会選挙の場合、3分の2の賛成が必要となる。

移民はドイツに移住から5年たてば市民権を申請できるようになる。連立政権の計画では、移民は二重国籍も認められる。これにより、数百万人の移民の生活が一変することとなる。ドイツで何十年も暮らしているものの外国籍のままの移民は多い。

新型コロナウイルス危機対応チームが首相官邸に設置される予定。ショルツ氏はワクチン接種はパンデミックから抜け出すための手段であり、新型ウイルスの影響を受けやすい人々が関わる介護現場では、接種を義務付けるべきだと述べた。また、医療従事者へのボーナスに、10億ユーロ(約1300億円)を投じることで3党が合意したとした。

外交政策については、「欧州の戦略的主権を高め」たいとしている。これは事実上、エネルギーや安全保障、そのほかの国際問題に関する独立性を高めることを意味する。ただ、対米関係や、 北大西洋条約機構(NATO)加盟国としての立場は引き続き、同国の安全保障の中核であり続ける。

新規債務禁止ルールは、新型ウイルス危機への対処により多くの資金が必要となったため解除された。連立政権は2023年までに、この債務ブレーキ制度を復活させたい考え。

また、中絶手術の実施を医師が宣伝することを禁止するルールが廃止される。医師は起訴を恐れることなく、中絶に関する情報を公開できるようになる。

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