米国通商代表部(USTR)は11月24日、インドとのデジタル課税問題に関する合意に基づき、同国からの輸入の一部に発動する可能性のあった追加関税措置を終了すると発表した。
このデジタルサービス課税問題は、米国の大手IT企業を狙い撃ちしたものとして、トランプ前政権で、単独でデジタル課税を導入した国・地域を対象に1974年通商法301条に基づく調査を行っていた件となる。調査の結果、トランプ前政権下でフランス、インド、イタリア、トルコ、オーストリア、スペイン、英国のデジタル課税措置が不公正と判断し、これらの国からの輸入の一部に最大で25%の追加関税案(301条関税)を発表していた(注)。ただし、いずれの国に対しても301条関税は未発動で、発動停止の状態が続いていた。USTRはこれら7カ国のうち欧州5カ国との間では10月に(2021年10月22日記事参照)、トルコとの間では11月22日に(2021年11月24日記事参照)、米財務省がデジタル課税に関する合意に至ったことを受け、301条関税を終了するとしていた。
同合意では、これら6カ国が施行済みのデジタル課税を直ちに撤廃しなくてよい代わりに、OECDで政治的に合意された、市場国に対し適切に課税所得を配分するためのルールの見直し(第1の柱)が施行されるまでの経過措置を定めている。
今回、米財務省がインドとも同様の合意に至ったことで、USTRが301条関税の終了を発表した。ただし、インドとの合意内容はその他6カ国のものと若干異なっている。既に合意済みの6カ国との間では、OECDで第1の柱が合意された10月8日からそれが施行されるまでの「一定の期間(2022年1月1日から第1の柱の施行日もしくは2023年12月31日のいずれか早い)」に発生した国内のデジタル課税徴収額が第1の柱の施行後1年間の課税徴収額を超えた場合、その超過分は第1の柱に基づき各国に算定・配分される法人所得税から控除されるとしている。しかし、インドとは「一定の期間」を2022年4月1日から第1の柱の施行日もしくは2024年3月31日のいずれか早い日までと定義している。
キャサリン・タイUSTR代表はインド訪問中の11月23日、同国のピユシュ・ゴヤル商工相との間で、2017年以来となる米インド通商政策フォーラム(TPF)を開催し、共同声明も発表
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